@IDX:800
@OFF:0xbe
@SPK:
@JPN:　あの部屋……だろうか？
@ENG:

@IDX:801
@OFF:0xe4
@SPK:
@JPN:　真っ暗な廊下に、一筋だけ明かりが漏れている。
@ENG:

@IDX:802
@OFF:0x130
@SPK:
@JPN:　あんな部屋に、何があるというのだろう？
@ENG:

@IDX:803
@OFF:0x166
@SPK:
@JPN:　どう見ても、研究室にしか見えない。
@ENG:

@IDX:804
@OFF:0x198
@SPK:
@JPN:　人の気配もないのに明かりがついているのが、妙と　言えば妙だが……。
@ENG:

@IDX:805
@OFF:0x25f
@SPK:
@JPN:　若干のためらいを感じながら静かに部屋に入る。
@ENG:

@IDX:806
@OFF:0x29b
@SPK:
@JPN:　相変わらず人の気配はない……。
@ENG:

@IDX:807
@OFF:0x2c9
@SPK:
@JPN:　だが体臭にも似たにおいが、先程まで人のいたこと　を示している。
@ENG:

@IDX:809
@OFF:0x36c
@SPK:［女の声］
@JPN:　うっ……うううぅ……。
@ENG:

@IDX:812
@OFF:0x3ce
@SPK:[\protag]
@JPN:　誰！？　誰かいるの！？
@ENG:

@IDX:814
@OFF:0x42b
@SPK:［女の声］
@JPN:　うぅ……うっ……。
@ENG:

@IDX:817
@OFF:0x475
@SPK:[\protag]
@JPN:　誰がそこに…………。
@ENG:

@IDX:820
@OFF:0x53e
@SPK:[\protag]
@JPN:　なっ！？　ま、真魚……か？
@ENG:

@IDX:821
@OFF:0x58c
@SPK:
@JPN:　そばかすの残る頬、ほっそりして凹凸のない身体、　床に伸びた長い三つ編み……。
@ENG:

@IDX:822
@OFF:0x5e8
@SPK:
@JPN:　目隠しと猿轡をされていても、すぐにそれと分かる　特徴の数々……。
@ENG:

@IDX:823
@OFF:0x638
@SPK:
@JPN:　思わず名前を呼び、頭が真っ白になってしまった。　
@ENG:

@IDX:824
@OFF:0x68e
@SPK:
@JPN:　起伏に乏しい身体をほんのり桜色に染め、その上を　うっすらと汗が覆っている。
@ENG:

@IDX:825
@OFF:0x6e8
@SPK:
@JPN:　深い呼吸に合わせてゆっくりと上下する乳房、先端　で微かに震えるピンクの乳首……。
@ENG:

@IDX:826
@OFF:0x748
@SPK:
@JPN:　だらしなく開いた股間は透明な液体で濡れ、激しい　陵辱の跡を思わせる。
@ENG:

@IDX:827
@OFF:0x7ac
@SPK:
@JPN:　凄惨で……そして淫らな姿……。
@ENG:

@IDX:828
@OFF:0x7da
@SPK:
@JPN:　呼吸が耳障りなほどに高まり、股間が熱く滾る。
@ENG:

@IDX:829
@OFF:0x816
@SPK:
@JPN:　このまま襲っても、僕が犯ったと分からないのでは　ないか？
@ENG:

@IDX:830
@OFF:0x85e
@SPK:
@JPN:　いっそのこと、このまま……。
@ENG:

@IDX:831
@OFF:0x954
@SPK:
@JPN:　だが、考えるより先に身体が動いていた。
@ENG:

@IDX:832
@OFF:0x98a
@SPK:
@JPN:　傍らの椅子にかかった白衣で真魚の身体を隠して、　目隠しと猿轡を解いていく。
@ENG:

@IDX:835
@OFF:0xaa4
@SPK:[\protag]
@JPN:　……真魚。
@ENG:

@IDX:837
@OFF:0xaf3
@SPK:［真魚］
@JPN:　ヒッ！？　や、ヤダ……もう、許して……。
@ENG:

@IDX:840
@OFF:0xb53
@SPK:[\protag]
@JPN:　僕だよ、真魚……ほら、何もしないから……。
@ENG:

@IDX:842
@OFF:0xbc2
@SPK:［真魚］
@JPN:　ヤダ、ヤダよぉ……私、私……。
@ENG:

@IDX:845
@OFF:0xc18
@SPK:[\protag]
@JPN:　……真魚！
@ENG:

@IDX:847
@OFF:0xc67
@SPK:［真魚］
@JPN:　いや、いや、いやぁ……もう、勘弁して……許してよぉ……。
@ENG:

@IDX:849
@OFF:0xce4
@SPK:［真魚］
@JPN:　来ないで……近づかないで……私、わたし……。
@ENG:

@IDX:850
@OFF:0xd46
@SPK:
@JPN:　膜のかかったような虚ろな瞳……。
@ENG:

@IDX:851
@OFF:0xd76
@SPK:
@JPN:　うわ言めいた呟き……。
@ENG:

@IDX:852
@OFF:0xd9c
@SPK:
@JPN:　僕だということにまったく気づいてないようだ。
@ENG:

@IDX:853
@OFF:0xde6
@SPK:
@JPN:　僕の手から逃れようと、真魚が後ずさる。
@ENG:

@IDX:854
@OFF:0xe1c
@SPK:
@JPN:　襲ってきた男の幻影が、僕に重なって見えているの　だろうか？
@ENG:

@IDX:855
@OFF:0xe66
@SPK:
@JPN:　じりじりと逃げ続けて、やがて行き止まる。
@ENG:

@IDX:856
@OFF:0xeac
@SPK:
@JPN:　真魚がぶつかった拍子に、机から手術用のハサミが　落ちる。
@ENG:

@IDX:859
@OFF:0xf30
@SPK:[\protag]
@JPN:　真魚……。
@ENG:

@IDX:861
@OFF:0xf7f
@SPK:［真魚］
@JPN:　いや。いやなの……もういやなのぉ……。
@ENG:

@IDX:864
@OFF:0x109d
@SPK:[\protag]
@JPN:　……え？
@ENG:

@IDX:865
@OFF:0x10d9
@SPK:
@JPN:　その小さな身体からは考えられないような力で突き　飛ばされ、廊下にはじき出される。
@ENG:

@IDX:866
@OFF:0x1139
@SPK:
@JPN:　ぼんやりとした真魚の瞳は、僕の姿を映していない　ようだった。
@ENG:

@IDX:868
@OFF:0x1257
@SPK:［真魚］
@JPN:　ヒック、ヒック……酷いよ、ずっと信じてたのに……。
@ENG:

@IDX:870
@OFF:0x12ce
@SPK:［真魚］
@JPN:　副院長先生の命令だから、我慢して色々したのに…………。
@ENG:

@IDX:873
@OFF:0x133c
@SPK:[\protag]
@JPN:　ま、真魚……。
@ENG:

@IDX:875
@OFF:0x138f
@SPK:［真魚］
@JPN:　なのになんで……なんでこんな風になっちゃったんだろ……。
@ENG:

@IDX:876
@OFF:0x13f9
@SPK:
@JPN:　熱を伴う痛みが鳩尾の辺りに生まれた。
@ENG:

@IDX:877
@OFF:0x142d
@SPK:
@JPN:　僕の胸から、ハサミの柄が生えている。
@ENG:

@IDX:878
@OFF:0x1461
@SPK:
@JPN:　じんわりと広がる、生暖かい感触……。
@ENG:

@IDX:879
@OFF:0x1495
@SPK:
@JPN:　柄を伝って流れ出る血が、シャツにどす黒いシミを　作る。
@ENG:

@IDX:880
@OFF:0x14db
@SPK:
@JPN:　膝から力が抜けていく……。
@ENG:

@IDX:881
@OFF:0x1505
@SPK:
@JPN:　壁に背をつけたまま、ゆっくりと崩れ落ちた。
@ENG:

@IDX:882
@OFF:0x154f
@SPK:
@JPN:　多分、致命傷……。
@ENG:

@IDX:883
@OFF:0x1571
@SPK:
@JPN:　こんな時だけ奇妙に冷めた頭が、事実をありのまま　分析する。
@ENG:

@IDX:884
@OFF:0x15bb
@SPK:
@JPN:　僕は死ぬ……。
@ENG:

@IDX:885
@OFF:0x15d9
@SPK:
@JPN:　明日の朝には、冷たい屍になっているだろう。
@ENG:

@IDX:887
@OFF:0x165c
@SPK:［真魚］
@JPN:　ねえ、なんで？　私、分かんないよ……なんで私にあんなことしたの？
@ENG:

@IDX:889
@OFF:0x16e1
@SPK:［真魚］
@JPN:　ねぇ、副院長先生……答えてよ……。
@ENG:

@IDX:891
@OFF:0x1748
@SPK:［真魚］
@JPN:　ヒック、ヒック……。
@ENG:

@IDX:892
@OFF:0x1790
@SPK:
@JPN:　残念ながら、答えるべき副院長はいない。
@ENG:

@IDX:893
@OFF:0x17c6
@SPK:
@JPN:　血が抜けて体重は減ったはずなのに、逆に少しずつ　身体が重くなっていく。
@ENG:

@IDX:894
@OFF:0x181c
@SPK:
@JPN:　瞼さえも例外ではなく、徐々に目を開けているのが　つらくなってきた。
@ENG:

@IDX:895
@OFF:0x18e5
@SPK:
@JPN:　死ぬのは怖い……。
@ENG:

@IDX:896
@OFF:0x1907
@SPK:
@JPN:　だがなぜか、抗おうという気にはなれない。
@ENG:

@IDX:897
@OFF:0x193f
@SPK:
@JPN:　手足の感覚が薄れ、次第に真魚のすすり泣きが遠く　なっていく。
@ENG:

@IDX:898
@OFF:0x199b
@SPK:
@JPN:　眠りに落ちるまでの時間を、数倍に延長したような　感覚。
@ENG:

@IDX:899
@OFF:0x19e1
@SPK:
@JPN:　よく言う走馬燈とやらを見ることもなく、無気力に　自らの死を迎え入れた……。
@ENG:

